【政策比較】子ども・子育て対策 - 政府案の欠点と対案の立憲案の魅力
写真は元厚労相、現在立憲民主党の政務調査会長、ネクスト内閣官房長官の長妻昭衆院議員=東京7区。
6/13に岸田総理が発表した「こども未来戦略方針」に対して、立憲民主党で長年少子化対策について提言をしてきた政務調査会長の長妻昭氏は、政策案について明確な比較を行った。かつての2009年から2012年の民主党政権で中枢を務めて、こども手当など後に自民党に廃止された政策を実行した一人として、問題点を指摘した。
児童手当の所得制限
児童手当の所得制限の撤廃と支給期間の延長は遅すぎる。これらは立憲民主党が以前から主張していたものだが、自民党はバラマキと批判していた。
給食費無料化、教育費減免
4月の統一地方選挙でも党派を超えて多くの議員が訴えていたように、給食費の無料化による負担軽減は重要である。しかし、自治体レベルで「勝手にやっている」状態であり、政府は一切補助を出していないのが実情だ。また、子育ての中で大きな割合を占める教育費に関しても、政府は無償化や減免への動きを見せていない。
立憲民主党は、公立小中学校の給食の無償化を進め、教育の無償化を推進する。財源は、高所得者への所得税と金融課税の課税強化である。この施策を通して、巨大な所得格差を埋めて、誰でも一定以上の教育を受け、生活ができる日本を目指す。
未婚率について
実は日本で、夫婦一組あたりの出生数は大きく変わっていない。しかし、未婚の人が増え続けているから、国全体として少子化となっているのである。
自民党の最右派は、LGBTや多様な家族の形を認めたことが、少子化の原因だと公言しているが、未婚の大きな原因は給料が安く家庭を持つことへの不安であるように、的外れである。
そこで、立憲民主党は子育て政策の一丁目一番地でも、賃上げを掲げている。お金で困らずに結婚できる人を増やすには、立憲民主党の案の方が向いている。
財源
予算は有限であるがゆえに、子育て対策を追加で行うのであれば、増税か他の部分の予算削減をせざるを得ない。
政府では、医療保険料に定額を上乗せする案が浮上しており、これにより現役世代の負担が増す恐れがある。子育て支援をする人からの増税で子育て支援を粉うのは本末転倒であるが、政府は強行するつもりだ。
立憲民主党は、政府の増税の必要性を隠したまま総選挙に踏み切る不誠実を批判。明確に社会保険料の引き上げによる財源確保に反対し、所得税の累進性強化と金融所得課税改革により財源を確保するとしている。
総論
長妻氏は、政府の少子化対策は遅すぎるばかりか不十分で、具体的な財源確保策の決定を先送りするその態度を「骨抜き」と批判した。その上で、立憲民主党が提唱する多様な生き方や人権を尊重する対策が、「もっと良い子ども・子育てビジョン」を実現する道筋だと主張している。
現在総選挙が岸田総理によって行われるとまことしやかにささやかれている。立憲民主党は、賃上げ最優先で、子育て支援政策も前面に打ち出し、この少子化の波を止めるよう提言している。