戸別所得補償制度とは?

立憲民主党の山田勝彦議員は2月26日の衆議院予算委員会で「戸別所得補償制度」の復活について言及した。
山田議員は質疑内で「食料自給率を上げていくには担い手が必要です。だからこそ民主党政権は、農家の戸別所得補償制度を導入し、食料自給率を引き上げようとしました。しかし自民党がそれを廃止しました。その後、離農者や耕作放棄地はどんどん拡大しています。岸田総理は自民党へ献金する力のある大企業ばかりを見て、農家の皆さんが果たしている公的な役割が見えていないのではないでしょうか。立憲民主党なら農家の所得補償を復活し、食料自給率を確実に引き上げます。」と述べた。
戸別所得補償制度は民主党が2009年の衆院選でマニフェストに掲げ、2010年に導入された制度である。その後の安倍政権下では制度は廃止され、経営所得安定対策制度へと名前を変える事となった。
経営所得安定対策制度は戸別所得補償制度に比べ交付金支払額などで大きな違いがあり、現制度では不十分だとして制度の復活を迫った形だ。
2/26(月)衆議院 予算委員会
— 立憲民主党 国会情報+災害対策 (@cdp_kokkai) February 26, 2024
1⃣
山田勝彦議員
食料自給率45%、あまりにも低い目標なのではないでしょうか。食料自給率を上げていくには担い手が必要です。だからこそ民主党政権は、農家の戸別所得補償制度を導入し、食料自給率を引き上げようとしました。しかし自民党がそれを廃止しました。 pic.twitter.com/VopnGxjz56
そもそも戸別所得補償制度とは何か?
先に述べた通り、「戸別所得補償制度」とは農業経営の安定や国内生産力の確保、また戦略作物への作付け転換を目的として民主党政権下により2010年に導入された制度である。
国は販売価格が生産費を恒常的に下回っている作物(麦、大豆、そば、なたねなど)を対象として、その差額を国が直接交付する。交付額は品質、流通、加工への取組みなどを加味して算定され生産量ベースと面積ベースで支払われる事となり、これによって農家の生産を下支えし、戦略作物の作付面積を拡大するのが政策の目的であった。
戸別所得補償制度はなぜ復活しない?
戸戸別所得補償制度は民主党政権下で導入され、農家の所得の下支えとなった。しかし自民党の政権奪還後、安倍政権下では農家の競争力向上を目的として戸別所得補償制度は廃止され、「経営所得安定対策制度」へと名前を変えている。制度の変更に伴い交付金は10アールあたり15000円から7500円へと半減し、その交付金も平成30年に廃止された。
一方現在でも地方議会などでは戸別所得補償制度の復活を望む請願がされる事があるほど重要のある制度である。しかし自民党政権は今のところ戸別所得補償制度の復活を考えてはいない。一体何故なのだろうか?
戸別所得補償制度が復活しない理由として、「現在の政策方向性と異なる」事が理由として挙げられる。現在政府は水田活用の直接支払交付金を始めとして、水田を畑に転換する政策を推し進めている。
何故かと言うと、現在コメの需要は減少し、一方でムギ、大豆などの需要は伸びている。そのため政府としてはコメに対してこれ以上の補助を行いたくないという思惑がある。
自民党のホームページでも戸別所得補償制度の復活について、「コメの需要は減少偵向にあり、わが党はコメの需要拡大に努めるとともに、コメ以外の需要のある作物への転換を強力に推進しています。コメへの助成を行うことは需要のある作物への転換が進まない恐れがあります。」と述べている。
日本の農家の現状は?
現在日本の農業人口は減少を続けている。農家の高齢化と農業の担い手不足により農業人口は2020年時点で136万人の水準となっているが、これは1999年に1999年には約240万人いた農業人口に対して半減した形だ。また今後20年で農業人口はさらに1/4にまで減少するとされており、国の食の基幹となる農業が消滅の危機に晒されている。

また食料自給率の低さも日本の大きな問題である。現在日本の食料自給率は45%であり、かなり低い基準となっている。食料自給率の低さは緊急時における他国からの輸入停止に大きな影響を受け、安全保障の観点からも好ましくない。民主党政権下における戸別所得補償制度はその食料自給率をあげるために実施された施策であるが、制度の廃止後、民主党政権当時の2010年に比べても一向に上がらない状況が続いている。
戸別所得補償制度は復活する? 立憲民主党の立場は?
立憲民主党は現在、戸別所得補償制度の復活を公約として掲げている。これは米価の下落による農家の「農業が続けられないかもしれない」との不安に対し、その支援と食料自給率の向上のためアンサーを示した形だ。
2021年衆院選において代表の枝野氏は「東京でも米価の下落、これに対する農家の皆さんの大変強い不安というのは伺っておりましたが、実際に現地で当事者の皆さんから話を聞かせていただいて、やはり急いで手を打たないと、本当に米作りを続けられないという方がたくさん出てしまい、取り返しがつきません。その緊急性を改めて痛感しました。
もう1つは、やはり戸別所得補償制度の復活に対する強いご期待。やはりあのときは良かったという声をいただいて、改めて自信を深めました。必ず政権をひっくり返して、戸別所得補償制度を復活させて、充実させていきたいと改めて決意しています。」と述べている。
立憲民主党の同性婚まとめ -スタンス、注目議員、他党の姿勢や現状は?-

現政権で議論がなかなか進まない問題のひとつに「同性婚」の問題がある。現与党である自民党の保守派の議員を中心に根強い反対論があり、報道各社の世論調査では同性婚に対する賛成の声がどこも60%〜70%後半を占めているのにも関わらず、議論が進んでいない状態が続いている。
また岸田総理は国会答弁においても同性婚の法制化について「幅広い議論と理解が必要だ」「国民の家族観に関わる」として明言を避け、慎重な姿勢を崩していない。
同性婚に対する立憲民主党のスタンスは?
立憲民主党は現在同性婚の法制化に対して賛成の立場である。
立憲民主党の政策がまとめられている政策集には「婚姻の平等・同性婚の法制化」が盛り込まれている。
"同性婚を可能とする法制度を実現します。性的指向・性自認(SOGI)にかかわらずすべての人に結婚の自由を保障するため、婚姻平等を実現する「民法の一部を改正する法律案」(通称・婚姻平等法案)を成立させます。"
現に2021年衆院選、2022年参院選では同性婚の法制度化を公約として掲げ選挙に望んだ。
また立憲民主党は2023年6月に国会へ「婚姻平等法案」(正式名称:民法の一部を改正する法律案)を提出している。法案では民法の「夫婦」「父母」などの文言を「婚姻の当事者」「親」などへと変更し、同性の当事者間での婚姻、同性カップルの養子縁組を可能にする事を盛り込んだ。
cdp-japan.jpこのように現在立憲民主党は同性婚の法制化について賛成の立場から法改正とその実現に向けて動いている状況である。
法制化に力を入れる議員は?
立憲民主党は「人権を尊重した自由な社会」との綱領の元、性的志向や性自認などによって差別されない社会を提唱しており、同党には同性婚の法制化を初めとして、少数者の権利拡大に尽力する議員が多く在籍している。本項では立憲民主党に在籍し、同性婚の法制化に力を入れている国会議員を何人か紹介する。
・石川大我 参議院議員

比例区選出の石川大我参院議員は、LGBTの当事者であることを公表しており、日本で初めて公職に選出されたオープンゲイの議員として知られる。自分自身が「他人と違う」事を悩み、生き辛さを抱えた経験のある当事者として国会ではLGBTを始めとした少数者のための法制度の整備などに特に注力している。2023年通常国会の予算委員会では岸田首相に対して当事者の立場から「私はいつ愛する人と結婚できるようになるのか」と述べ、LGBTの置かれた状況を当事者として伝えながら同性婚の法制化を強く迫った。また党内ではSOGI(性的指向と性自認)に関するプロジェクトチームの事務局長を務め、2023年の「婚姻平等法案」では事務局長として法案提出の中心を担った。権利保護を目的とした「レインボーパレード」にも多く参加し、今後性的少数者の権利保護においてさらなる貢献が予想される。
岸和田レインボーパレード2024に参加し、約70名の参加者の皆さんと共に、約1時間、岸和田の中心地を歩きました。沿道からもたくさんのあたたかい言葉をいただき、ありがとうございました😊実行委員会の皆さん、交通誘導に協力をいただいた府警の方々、ありがとうございました🌈また来年会いましょう‼️ pic.twitter.com/IkHqLvjJZM
— 石川大我 Taiga Ishikawa🌈全国比例 (@ishikawataiga) March 3, 2024
・吉田晴美 衆議院議員

東京8区(杉並区)選出の吉田晴美衆院議員は、同性婚、選択的夫婦別姓、ジェンダー平等などの進展に力を入れている。2023年の臨時国会では立憲民主党の代表者として首相の所信表明演説に対する代表質問を務め、演説内では同性婚について違憲状態とした地裁判決が相次いでいるとして婚姻平等法案の早期成立を首相に求めた。また衆院予算委員会、法務委員会、憲法審査会でも度々同性婚に関する質問をしているため、ぜひ注目されたい。
・大河原まさこ 衆議院議員

東京21区(区域変更前八王子市、立川市、日野市、国立市、多摩市)選出で立憲民主党所属の大河原まさこ衆院議員は、SOGIに関するプロジェクトチームの座長を求め党内の法案提出などを主導してきた。
先に述べた婚姻平等法案では筆頭提出者に名を連ね、同性婚法制化への取り組みを進めてきたこと、セクシュアリティの尊重や人権保障は普遍的な価値であること、G7サミットにおいて日本が普遍的な価値を共有していることを示せるよう岸田総理が法整備へ向けたリーダーシップをとるべきことなどについて述べ、法案の成立へ向け努力していく決意を示した。
他党のスタンス・現在の進捗状況は?
現在立憲民主党は同性婚に賛成の立場であるが、他党はどうだろうか。
現在政権与党であり衆参で最大勢力を占める自由民主党は2022年参院選における同性婚におけるスタンスについてMarriage for all Japanが送付したアンケートに対し「憲法24条の記述から現行憲法は同性カップル同士の結婚を想定していない」「国民の理解の増進が必要であり、その是非を含めた慎重な言動が必要」として反対の立場を示した。
2023年には岸田首相の元秘書官が同性カップルについて「見るのも嫌だ」「秘書官室はみんな反対」と発言、岸田首相自身も同性婚について「社会が変わってしまう」と発言するなど、党全体としてこの問題に後ろ向きなのが現状である。
一方2022年参院選における野党各党のスタンスは以下の通りである。
「同性婚を認め、パートナーシップ制度の導入を進める」(日本維新の会)
「同性婚を認める民法改正を行う」(日本共産党)
「性的志向、性自認に関する課題の解消に向けた法整備を行う」(国民民主党)
このように、同性婚に対する野党各党のスタンスは概ね「賛成」「やや賛成」で揃っている。
また同性同士のカップルの婚姻が認められない中、自治体が独自に「結婚に相当する関係」を証明する証明書を発行する「パートナーシップ制度」は全国397の自治体に広がっており(2024年3月現在)、その輪は広がっている。
しかし現状においてパートナーシップ制度はカップル間の法的な婚姻関係を証明するものではなく、婚姻と同じ権利を得ることはできない。同性のカップルが異性のカップルと同等の権利を得るにはやはり「同性婚」の法的整備が必要不可欠なのである。
「野党は能登半島を人質にしている」の真偽は? 泉健太トークセッションまとめ

現在国会では政倫審を巡る与野党の駆け引きが活発化している。その過程で野党が示唆したのが予算審議における「審議拒否」の可能性である。詳しくは同ブログ内の「立憲民主党2024年前半 政治とカネの動きまとめ」「野党は予算を人質にしているのか 泉健太トークセッションまとめ」を参照されたい。
それに対して与党議員、SNS上の一部で述べられている言説が「野党は能登半島を人質に取っている」というものである。審議拒否によって今年度中に予算が組めない場合、能登半島地震の復興に予算が配分できず復旧作業が止まるなど被災者に影響が出るという言説は頻繁にみられる。
しかしニコニコ生放送で放送している「泉健太トークセッション」で立憲民主党の泉代表は、そのような言説について明確に否定をしている。
〇今年度はすでに十分の予備費が計上されている。
2024年1月に発生した能登半島地震では、政府は2023年度の予備費から約1500億円を支出することを決定した。震災の復興支援はその予備費から支出されており、現在その予備費によって可能な限りの支援が進められている状態である。その中で仮に今年度中に予算が成立しなかった場合でも、能登半島復興の事業がストップするなどという事態は起こりえない。事業の進行を一切止めることはなく、契約の期日を変更するなどで対応することが可能である。
また予算案については今年度中に成立がなされなかった場合、内閣は財政法第30条に基づいて暫定予算を作成することができ、予算成立が仮に遅れた場合でも来年度において行政機能の停止などの大きな被害が出ることはない。
これらのことから動画内で泉代表は、審議拒否によって能登半島復興に影響が出ることはない、野党が能登半島を人質に取っているという事はない、と強調している。
「野党は予算を人質にしている」の真偽は? 2月28日泉健太トークセッションまとめ

政倫審を巡る国会内での与野党の攻防が続いている。政倫審(政治倫理審査会)を巡っては、与党側が政倫審開催について「テレビ入りや記者入りを認めない完全非公開で行いたい」と主張する一方、立憲、維新、国民、共産を含む野党4党は「完全公開でないと説明責任を果たしているとは言えない」として反発していた。そして野党側は28日午後、国体委員長会談にて「安倍派、二階派幹部の五人の出席が確定しない限り今年度予算の日程協議に応じられない」として一致し「審議拒否」の可能性を示唆した。
これに対し与党議員、SNS上の一部では「野党は予算案を人質にして国民生活を妨害している」との批判を浴びせた。今年度中に予算案が成立しなければ行政機能が停止するなど国家運営に支障が出るとされるためだ。
この野党側による審議拒否の弊害について、立憲民主党の泉健太代表は2月28日にニコニコ生放送で放送された「泉健太トークセッション」でSNS上でのそうした意見について明確に否定している。
①仮に今年度中に予算が成立しなくても、重大な問題にはならない。
内閣は4月1日までに予算が成立しなかった場合、暫定予算を作成することができる。暫定予算とは本予算が成立するまでの間、財政法第30条に基づき必要最低限の経費を賄えるよう事務的に組まれるものである。仮に5月、6月まで本予算が成立しなかった場合問題が生じるが、4月前半に暫定予算が組まれたことは過去に何度もある。そのため野党側が審議に応じず本予算が今年度中に成立しなかった場合でも、予算が組めず行政機能が停止するなどの大きな弊害は起こらないのである。政権側は予算が成立すると野党側の要求を聞かなくなるため、野党側は抵抗、つまりヴァスコシティ(粘着性)の一環として審議拒否を行うが、当然この暫定予算を見越して国会戦略を練る。
②3月1日までに衆議院を通過しない=今年度中に予算案が成立しないわけではない。
予算の成立には衆議院の優越と30日ルールがあり、衆議院から参議院に予算案が移った時30日以内に案を議決しなければ衆議院の議決が国会の議決となる(自然成立)。これは昔の国会で衆議院の審議が紛糾し3月下旬まで衆議院で予算審議が行われていたが、このような状態の弊害を解消するために定められたのが30日ルールである。そのため、自然成立を目指すのであれば3月1日までに予算案が衆議院を通過しなければ今年度中の成立は見込めないが、参議院が30日より早く議決を済ませば、今年度中の予算成立は十分可能なのである。
このような理由を踏まえ、野党の審議拒否によって予算が組めなくなるなどの影響が及ぶことはないとして泉代表は「野党が予算を人質に取っているというデマに惑わされないでほしい」と述べている。
立憲民主党の財政政策まとめ2024年
立憲民主党の財政政策の2024年のまとめです。

立憲、106万、130万の壁を給付で是正し働き損をなくす 元々保険料払ってる人にも給付
2024/2/21
立憲民主党は21日、106万の壁、130万の壁の是正をする法案を提出した。現在106万を超えると一部の人は社会保険料の発生が急に発生し、130万を超えるとすべての人が社会保険料の支払いが発生する。そのタイミングで一気に手取りが減ってしまう問題がある。
これを是正する緊急の提案として、給付によってその分を穴埋めする法案を立憲民主党が提出した。給付は額の増加によって徐々に減らす形で、どの年収であっても働き損が発生しないようにするもの。
他には、壁に届いていないながらもすでに社会保険料を支払っている人に対して、これも給付を行い不平等を是正することが法案に盛り込まれている。
この法案は立憲の財政政策の柱の1つであり、「政権を取ってこれをやる」のパッケージに入ると階猛衆院議員は言う。
2/21(水)12:20~議員立法「就労支援給付制度の導入に関する法律案」を衆議院に提出しました。
— 立憲民主党 国会情報+災害対策 (@cdp_kokkai) 2024年2月21日
1⃣
<提出者によるぶら下がり>
階猛 筆頭提出者
立憲民主党の就労支援給付制度の導入に関する法律案ということで社民党と共同で提出しました。年収の壁と歪みを給付で埋めるというふうに書いております。 pic.twitter.com/kysZFcRM9H
2024年通常国会 共同親権に対する動きまとめ

2024年の通常国会で大きな議論を呼ぶであろう議題の一つが「共同親権」である。現行法では離婚後、子に対する親権は父、母どちらか片方がとるという形を取る「単独親権」であるが、今国会で現行法を改正し父母の双方が親権を持つことができるよう改正する動きがある。
一方で共同親権に対しては法律の専門家などを始めとしてその危険性を指摘する声もあり、自民党、立憲民主党内でも賛成、反対の両意見が混在する。また共同親権を公約としてきた日本維新の会を始め、今国会で各党がどのような立場に立つのか注目される。
この記事では今国会での立憲民主党、自民党を始めとした与野党の最新の動きについて更新していく。
政府、「共同親権」導入に向けた民法改正案を閣議決定
3月8日
政府は8日、夫婦離婚後に父母どちらも親権を持てるようにする「共同親権」導入のための民法改正案を閣議決定した。各社報道によると、民法改正案の内容は以下の通りとなる。
・離婚後、夫婦で協議し共同親権か単独親権が選べるようになる
・協議がまとまらない場合には、裁判所が親子や父母の関係を踏まえて親権を決める
・一方の親からの虐待やDVが認められる場合には、単独親権を定める
・養育費の不支払が生じた場合差し押さえをしやすくするため、ほかの債権に優先して請求ができるようにする
・父母間の取り決めがなくても、最低限の養育費を請求できるようにする「法定養育費」を定める
・別居や離婚後、親子が早期に面会、交流できるよう調停中や裁判中に家裁が仲介できるようにする。
立憲民主党の泉健太代表は3月8日の定例会見にてこの民法改正案への賛成の可否について、「(共同親権は)DVについての問題もあれば、共同親権によって両方の親が関わりを持つことができるという点もあり、それで上手くいくケースもあれば、逆効果になってしまうという指摘もある。人権の尊重や子供の安全という面から慎重な検討が必要であり、党内の議論を進めている」と述べた。
では泉代表の言う「利点」と「問題点」とは何なのだろうか。
まず利点としては、「親子間交流の促進」が挙げられる。共同親権を推し進めてきた自民党の牧原秀樹議員は当事者からのヒアリングにおいて配偶者が子供を連れて行ってしまったことにより、子供と会えなくなってしまったという声を実際に聞いている。
共同親権の問題はもともと親子断絶問題に端を発します。ある日帰宅したら配偶者とこどもがいない、心配して捜索願いを出したら実は配偶者が連れ去っていて突然子どもにも会えなくなった。そんな相談を松本洋平議員の紹介でお会いした皆様にされました。私の元秘書にも同じ問題がかつて起きました。…
— 牧原秀樹 まきはらひでき 衆議院議員 自民党 埼玉5区 (@hmakihara) February 1, 2024
このような声を踏まえ、共同親権の導入により両方の親が一方的に妨げられる事無く適切に子供と関わりを持つことができるよう担保されるという利点がある。
一方懸念点としては、共同親権によるDVや虐待からの避難が困難になる懸念や進学、医療などの迅速な決定が困難になる懸念、再婚が困難になる懸念などいくつかの問題点が指摘されている。
これらの利点、そして問題点を踏まえ改正案に対し各政党がどのような判断を下すのか、今後の動きが注目される。
自民、「共同親権」導入について法務部会で了承、今国会で改正案を提出へ
2024年2月19日
自民党法務部会は19日、「共同親権」について来月にも国会に改正案を提出する方向で了承した。また改正案が成立すれば、公布後2年以内に施行することとなっている。
これについて共同親権推進を強く訴えてきた自民党の牧原秀樹衆院議員は、改正案の内容について、共同親権に加え「養育費確保強化、親子交流推進、親以外家族との交流、財産分与期間制限の延長、精神病の離婚事由からの削除、夫婦間契約取消権の削除」を規定すると明かした。
離婚後共同親権導入、養育費確保強化、親子交流促進、親以外親族との交流、財産分与期間制限の延長、精神病の離婚事由からの排除、夫婦間契約取消権の削除などを内容とする民法改正案が自民党の法務部会で了承されました。このあと政調審議会、総務会と了承が得られれば党として了承ということになりま… https://t.co/5bCnhUtgBH
— 牧原秀樹 まきはらひでき 衆議院議員 自民党 埼玉5区 (@hmakihara) February 19, 2024
共同親権をめぐり超党派の勉強会が発足 立憲・福山哲郎参院議員と自民・野田聖子衆院議員が発起人
2024年2月9日
今国会に提出される方向性となる「共同親権」について、その改正に慎重な姿勢を見せる自民党、立憲民主党、日本維新の会、共産党、社民党など超党派の議員による「親権のあり方勉強会」が9日、発足した。会合では法務省から要綱案の説明を聴取したうえで、当事者からのヒアリングも行った。また会合では各議員からDVや虐待の恐れから「拙速だ」として慎重論や反対論が相次いだ。
要綱案では家庭裁判所がDVだと認めた場合「単独親権」に切り替えることができるとされている。
一方で被害の当事者からはその認定が困難だとの声のほか、「父と母が理解し協力し合っているとの前提に立っており、実態とかけ離れている」との指摘が上がった。
またこの勉強会は立憲民主党の福山哲郎参院議員と自民党の野田聖子衆院議員が発起人となり、立憲民主党の枝野幸男衆院議員、共産党の小池晃参院議員なども参加した。
本日、超党派議連「親権のあり方勉強会(仮称)」を立ち上げ、第1回を開催。野田聖子議員(自民)と私(立憲)が発起人、事務局的に大岡敏孝議員(自民)にご尽力頂いた。家族法制部会がまとめた共同親権導入を前提とした要綱案に異論、懸念が噴出。拙速な議論は避けるべき。 https://t.co/by6TujyBQk
— 福山哲郎・立憲民主党 (@fuku_tetsu) February 9, 2024
福山議員は幼少期に父からのDV被害に遭っており、昨年のDV防止法改正案に対しても質問主意書を提出するなどその防止に尽力してきた。そのため今回の改正案によるDV、虐待の懸念についても人一倍強い思いを持つ。
「共同親権」法務省が要綱案を取りまとめ 今国会で提出、成立を目指す
2024年1月30日
離婚後の親権について、法制審議会の部会は、父と母双方に子供に対する親権を認める「共同親権」の導入を柱とする要綱案を取りまとめた。
現行の法制度では子供の親権に対して片方の親権のみを認める「単独親権」となっているが、それに加えて共同親権を認める形になる。要綱案では共同親権の他、父母の子育てに対する責務の明記、養育費の規律を定める事、親子の面会交流の仕組み新設なども加えられるとしている。
一方これらの改正案に対する懸念の声も多くある。DVや虐待を受けた親や子が加害者の親から逃げて身を隠すことが困難になるのではないか、加害者側の親と距離を置くことが困難になるのではないかといった不安である。
立憲民主党前代表の枝野幸男衆院議員は2022年時点で共同親権に対する懸念事項について述べている。
⇒
— 枝野幸男 #立憲民主党 #埼玉5区 衆議院議員 (@edanoyukio0531) August 27, 2022
共同親権を認めると、その行使に名を借りて「会わせてはいけない」者が無理やり会うという事態を招きます。この点の問題が、この間の共同親権の主張に危機感を持ったDV被害者の声で明らかになりました。
この懸念に対して要綱案では「DVや虐待などのケースによって親の関与が子に実害を与えると判断された場合、単独親権を行使することができる」として対処可能とした。
しかしこれに対し、DVの認定が困難である事や、片方の親が認めない場合医療、保育、住居の決定に著しい支障をきたす事などから懸念は払しょくされないとの意見もある。
立憲民主党での衆議院選挙 立候補するには?(擁立状況、立候補詳細)

立憲民主党・現在の擁立状況
2024/2/19
立憲民主党は2024年2月4日に開かれた党大会において、次期衆議院選挙において自民党を上回る第一党となり、政権交代を果たすとの目標を掲げた。自民党の政治資金問題を受けて、当初の目標であった現有95→150議席以上への積み増しとの目標を軌道修正し「政権交代」との文面を復活させた形だ。
そして候補者擁立目標を全289選挙区のうち200人、そしてさらに積み増し240人を目指すとした。
一方で2024年2月19日時点で立憲民主党の予定候補者数は175人となっている。仮に単独で政権交代を果たす場合、衆議院の定数465人の内過半数となる233人を占めなければならないため、立憲民主党単独で政権交代を果たす事は現時点で不可能という厳しい現実がある。
現在、立憲民主党は政権交代の実現に向けてに候補者擁立を進めるとしている。立憲・泉代表は党大会において候補者擁立の加速を指示しており、また党は昨年11月末から「候補者公募強化月間」を設け、現在まで公募強化期間は延長されている。
立憲民主党での立候補の詳細 必要な条件、支援・優遇制度は?
立候補の条件
①満25歳以上
公職選挙法により、衆議院選挙の被選挙権は25歳以上と定められている。国会議員の平均年齢は60歳を超え、ある程度の年齢に達していないとなれないというイメージがあるが、若くから国政に挑戦することは可能である。
立憲民主党の泉健太代表は25歳のころ現職の国会議員に声を掛けられ国政に初挑戦した。そして落選し挫けそうになりながらも政治活動を続け、次期衆院選にて初当選を果たしている。
また現在の立憲民主党、そして現職国会議員における最年少は31歳の馬場雄基議員である。福島県選出の馬場議員は18歳の頃東日本大震災を経験し、原発問題などの難題を「未来に先送りしない」との想いを胸に29歳で衆議院議員に初当選した。そして馬場議員の国会質問はTikTokをはじめとするSNSを中心に22.7万いいねを記録するなど若者に大きな反響を呼んだ。
国政に挑戦し国民の声を代弁する資格は若者を含めた多くの人に開かれていると言える。
②党の綱領や基本政策に賛同し、その実現に向けて共に活動できる方
当選し党所属の国会議員として活動するからには、党の理念や政策が自身と合致している必要がある。具体的な判断は応募後の小論文や面接によって判断される事となるが、その綱領や基本政策は以下のとおりである。
また参考に2022年参院選における政党ごとの政策を比較したサイトなどもある。立憲民主党においては消費税におけるスタンスなどで修正があるものの、基本政策の根幹は変わっていない。どの党が自らの実現したい政策に合致するのか、その比較に役立つ。
候補者支援・優遇制度
立憲民主党には立候補をする上で多くの支援制度・優遇制度がある。候補者に対する生活の支援はもちろん、ポスター印刷など選挙費用の支援、個々の候補者の特殊事情に応じた支援、活動面でのサポートなど、その種類は多岐にわたる。
①月額50万円の活動金
選挙活動中の生活などを送るため党から支給される費用。また最近ではこの活動費に加え、月額20万円の委託調査費も追加され、生活の支援に充てる事もできる。
②100万円の新人貸付金(女性、45歳以下限定)
国会議員に初めて立候補する立憲民主党公認の45歳以下の候補者および女性新人候補者に対して初期費用などに充てることのできる100万円の貸付を行っている。
③選挙費用1000万円(公認料500万円+500万円)
ビラの印刷代、設備設置費用などに充てることができる選挙費用1000万円が支給される
④研修
初めて選挙に挑む候補者に向けて、スピーチ練習、政策説明、公選法講座、SNS活用法などに選挙活動についての研修を行っている。
⑤相談窓口およびメンターの設置
現職を含めハラスメントなどについての悩みを気軽に相談できる窓口を党本部に設置している。また新人女性候補には現職議員、議員経験者などをメンターとして相談役につけることができる制度も充実している。さらにオンライン交流会などを通じ、先輩や仲間に相談しやすい環境作りもある。
⑥ケアラー支援
子育て中の候補者、および家族の介護、介助を担っている新人候補者に対しての支援策として、支援金5万円を支給する(申告制、性別問わず)
これらの支援は他野党に比べても手厚いといえる。そしてこれらの支援が充実している現代において、選挙に立候補しチャレンジするハードルはかなり下がっているのである。
また立候補の詳細について泉健太代表自ら紹介をしている動画もある。是非立候補する上での参考にされたい。
京都市長選での紛糾 — 与野党相乗りの背景とその是非について—

令和6年2月4日に行われた京都市長選挙は、事前の注目度もさることながらその構図、選挙結果共にメディア、SNSで論争を巻き起こす波乱の選挙となった。4期16年の間市政を担っていた門川大作市長が今期限りでの退任を表明し、元内閣官房副長官の松井孝治氏(自民、公明、立憲、国民推薦)、弁護士の福山和人氏(共産、社民、れいわ支援)、元京都市議の村山祥栄氏、元京都府議の二之湯真治氏、高家悠氏が立候補する乱戦となった。
ここで注目されたのは国政において激しく対立する与党・自民、公明党と野党・立憲民主党が同じ候補を共に支援した事だ。松井氏には自民党、公明党、そして立憲民主党、国民民主党という4政党の組織票が結集する形となった一方、福山氏は過去の選挙への出馬経験に加え、他地域に比べ大きな影響力を持つ共産党の支援、また福山氏自ら政党色を消す選挙戦により両者は大激戦となる。
そして予断を許さない選挙戦の結果は16,251票差で松井孝治氏の勝利、現市長の事実上の後継となる新たな京都市長が誕生する形となった。
この選挙結果に対してメディア、SNS上で多く見られた批判が「立憲民主党の与党との相乗り」に関するものである。普段国政で激しく対立し裏金問題でも厳しく与党を追求、政権交代を高らかに叫ぶ野党第一党が自民党と地方選挙で手を結び与党系市長の誕生に一役買ったとなれば、野党サイドから批判が出るのは理解できる。また自民党京都府連の会長を務め立憲民主党と共に選挙戦を闘った西田昌司参院議員に411万円の「裏金」が見つかった事、また選挙戦が激戦だった事から、「国政では裏金問題を追求しておいて地方選では裏金議員と手を結ぶダブルスタンダード」「立憲民主党が福山氏に付いていれば野党が勝利していたのに」との恨み節にも似た批判が多く寄せられた。
消費税の件もそうだけど、福井や京都で野党共闘せずに自公に相乗り。IRに積極的な林文子市長も立憲の山尾しおりが選挙応援演説してましたし、立憲のダブスタも支持者離れの一因でしょうね😡 https://t.co/fvMrMtQt7k
— 呉瀟 (@wuxiaopak) January 17, 2020
立憲は本当にこれでよかったのだろうか。京都政治の歴史的な文脈はともかく、これだけ自民党に対する有権者の不信や批判が強まっている中で、従来通りの物差しで自民党と相乗りするという判断でよかったのだろうか。京都の立憲支持者の方々はどう思っているのだろうか。 https://t.co/tBhdrtA0UQ
— 布施祐仁/ Yujin Fuse (@yujinfuse) February 4, 2024
確かに一見すると立憲民主党は対立するはずの与党と馴れ合い対決を放棄したと思える。しかしこの選挙戦の背景と経緯を冷静に見るとそう単純な話でもない事が分かる。次項ではその複雑な背景について述べる。
与野党相乗りの背景と経緯
- 地域事情
京都市の前市長である門川大作氏は2008年、自民党、公明党、民主党、社民党の支持を受けて共産党支援の候補を破り初当選している。また2008年まで京都市長を務めた桝本頼兼氏は自民、公明、民社、社会党の支援を受け共産党支援の候補を破り初当選した。つまり京都という地では、長い間「共産vs非共産」という構図が定着していたことが分かる。
しかしこれに対し「与野党の馴れ合い」という批判が当たるのか、という事である。例えば大阪では、「維新」の流れを汲む政党の伸長により自民党と共産党の相乗りが多く見られる。 だがこの一例を持って自民党と共産党は「馴れ合っている」と断じる事ができるのだろうか。 地方選の一例のみを見ると与野党が同じ候補を推すことに違和感があるのは当然だが、各地域にはそれぞれ異なった事情があると言える。立憲民主党は各地域ごとの判断に従って、本部が推薦を出す方式を基本的にとっているため、各地域次第で異なる対応を取り得る文化である。
2. 自民党候補への相乗りの「真相」
京都市長選に対して言及する人々、メディアによる批判として多いのが「立憲民主党が自民党推薦の候補に相乗りしてきた」という誤解である。時系列について簡単にまとめてみる。
2023年10月24日
自民、立憲、公明の3党が松井孝治氏に出馬を要請することが判明
2023年11月9日
立憲民主党、臨時の常任幹事会で松井孝治氏の推薦を決定
本日、午前に党本部で松井孝治さんと泉代表、岡田幹事長、大串選対委員長との面談がありました。午後からの持ち回り常幹で、来年1月京都市長選での松井孝治さんの推薦を立憲民主党本部として正式決定致しました。 pic.twitter.com/R2ACKBZtZc
— 福山哲郎・立憲民主党 (@fuku_tetsu) November 9, 2023
2023年11月15日
自民党、選挙対策本部にて京都市長選における松井孝治氏の推薦を決定
こうして時系列を見ると、推薦の順番として立憲民主党→自民党の順に推薦を出したのが分かる。 つまり「立憲が自民候補に相乗り、野党を裏切った」というのは誤りだという事である。
また立憲民主党の泉健太代表は12月6日の会見で「立憲民主党は元民主党の仲間で『新しい公共』を提唱し市民を大事にする松井さんを推薦した。松井さんとは信頼関係があり、推薦は他のどの政党よりも先である。」との旨を明確に述べている。
3. 政党の支援体制の変化
当初京都市長選は松井孝治氏と福山和人氏に加え、元京都市議の村山祥栄氏が有力な候補として名前が上がっていた。
その理由として昨今関西で大きな影響力を持つ「日本維新の会」の支援を受けていたためである。現在日本維新の会は関西以外では勢力として弱いものの、全国政党化を目指す日本維新の会にとって京都の首長をおさえることは全国進出の大きな足がかりになる。そのため日本維新の会はこの京都市長選に大きな力を入れていた。そして共に全国政党である自民党と立憲民主党の利害が一致したのが「日本維新の会の関西以東進出の阻止」である。
つまり京都市長選は維新進出の防波堤であり、当初の構図は「対維新」だったのである。
しかし選挙が近づく1月中旬、その構図が一変する。村山祥栄氏に「架空パーティー疑惑」が報道され、日本維新の会が推薦を取り消したのだ。裏金問題、パーティー券問題で国政が揺れる中、日本維新の会としては当然の判断をしたと言える。そして同じく国民民主党京都府連として村山祥栄氏を推していた前原誠司衆院議員が国民民主党を離党したことにより党は推薦を撤回、京都党も推薦を撤回し村山氏は候補者レースから脱落する結果となる。そして日本維新の会は投票を自主投票とし、京都市長選における存在感を完全に失った。
つまり松井氏陣営にとって「対維新」だったものの維新が脱落したことでその構図は今まで通りの「非共産」VS「共産」へと変化したと言える。
与野党相乗りの是非 松井氏推薦は正しかったのか
立憲民主党は結果的に京都市長選において与党と同じ候補を推薦し、それに対して多くの批判が起きた。しかし先に述べた3つの事情を考慮すると、「立憲民主党は国政で自民党を激しく追求する立場でありながら野党陣営を裏切り自民党と手を結んだ第3自民党である」との批判はいささか冷静さに欠けるとも言える。
一方で立憲民主党が福山和人氏を支援すれば票差の約16000票を縮める、またはひっくり返す事ができた可能性も当然あり、野党支持者の反発も理解できる。
そして、京都では根強い非共産相乗り反対の民意があり、府議会や市議会の共産党、京都党の強さの源泉でもある。議会でも「共産党だから」という理由で議案を否決して、ほぼ同じ案を与党が提出することが度々ある。京都市長選をめぐり、立憲民主党の片桐市議も離党をした中、立憲民主党もやはり問われることになる。
これらの事情を考慮した上で立憲民主党に対しどんな感情を抱くのか、それぞれの感じ方に委ねたい。
八王子市長選惜敗の滝田陣営 市民連合幹部らが団結の意義語る 市民が愚かという声にくみせず
1月21日に歴史的激戦を演じ、惜敗した滝田候補を擁立した団体の一つである、市民連合の幹部である菱山南帆子氏が敗戦の総括を行った。産経新聞の報道では市民連合の幹部が「市民は愚かだったから負けた」の旨の発言があったと報じられただけに、実名で打ち返した格好だ。
「分裂の歴史がこれだけ民主主義を弱くしてきたのです。八王子は今回の繋がりを大事にして、分断工作に負けないよう繋いだ手は離さぬよう頑張りたいと思います。」この結語を導いた総括では、誰も排除しなかった構図での選挙を示した。
「超党派ではなく超超党派」と主張するように、都民ファーストから共産党まで、幅広い勢力が結集して滝田氏を応援した。しかし、動き始めたのは12/29であり、あまりにも遅く挽回には及ばなかったとのこと。
その上、資金力も及ばない中、自公が小池都知事や維新の支持をを急遽取り付けた初宿氏との激戦をつづった。
「ガラス細工選挙体制」である中、滝田候補の多方面に配慮した選挙活動で最後まで完走したとつづられている。
滝田氏も同様に、「八王子市民に対する誹謗のような声が上がっていることに心を痛めています。」と発信した。
#八王子市長選挙、力及ばずでした。全国から応援していただいた皆さん、申し訳ありません。
— 菱山南帆子 (@nahokohishiyama) 2024年1月22日
その翌日に萩生田氏の約2800万円の裏金作りをしていたとの発表。
バカにしているのかと言いたいです。
カルトと裏金を許すなんて八王子市民はバカか!とたくさんのお叱りを受けています。
[下に長く続きます] pic.twitter.com/JxukTGeZWm
#八王子市民 に対する誹謗のような声が上がっていることに心を痛めています。
— 滝田やすひこ(新時代の八王子) (@TakitaYasuhiko) 2024年1月22日
選挙後はノーサイド、新市長の元で八王子が良くなるようにしなければなりません。
私の力不足で負けたのです。
投票率も、他候補が想定以上に得票したことも、私と陣営の力量です。
#八王子市長選挙 #滝田やすひこ
2024八王子市長選考察 公明の牙城で異例の死闘の背景は
滝田は立憲の8割、無党派層の4割、自民支持層にも食い込んでいる。 初宿は自民の6割弱にとどまり、無党派層は2割にも届いていない。 両角は自民の2割、無党派層の3割。
常勝八王子を支える圧倒的な公明票
八王子は東京24区、萩生田光一衆院議員の地盤であり、2012年の政権交代選挙以降、対立候補の比例復活を許さずに守りきっている。 その底堅さを支えるのは、八王子市内に本部などを要する創価学会である。 公明党は共産党と並び組織力が高く、投票率が低下しがちな地方選挙においても他党に比べて高い割合で支持者が投票する傾向にある。 その上、組織力故に期日前投票を済ませる人は多く、当日の出口調査で勝っていても期日前をまとめると追い越されることが多い。
八王子においての2021年衆院議員選挙の公明党の得票は47000強。そして、様々な選挙で、公明党支持者は自民支持層よりも忠実に自民支持者へ投票する傾向がみられ、8割を割ることはほぼない。ここから考えると、3.8万票は動く計算である。
異例の激戦 滝田氏が示した「広義の野党共闘」
そのような公明党が強い八王子において、今までの市長選挙では8時開票で大差がつき即自公側の勝利が報じられる無風であるのがふつうであった。 しかし、滝田氏は朝日新聞の出口調査で「ややリード」となり、歴史的な健闘をしたと言える。 批判票も大いに取り込んだ結果でなければ、ここまでの大激戦を演出できない。
健闘の背景には滝田氏を支えた、「広義の野党共闘」である。
滝田氏を支えたのは、共産党、生活者ネットワークなどの左派政党のみならず、中道寄りの立憲民主党、国民民主党、そして滝田氏の出身であった一部の都民ファースト議員である。近年の野党連合では「腹六分目」でお互いが納得せずに態勢を中々構築できない中、協力し、八王子で大健闘したことは今後の選挙のモデルとなり得る。
あわただしい初宿氏 焦りを示すように急な相乗り
初宿氏は自公の全面支援を受けた。初宿氏の擁立自体も、公明の東村邦浩都幹事長が主導。自治体選挙では異例となる公明新聞の「激戦追い上げ」報道もなされた。 東村幹事長も当選した後涙ながら感謝の弁を述べるなど、公明党にとって限界の戦いの様子も呈す。
それでも足りなかったと読む陣営は、選挙期間中に急遽東京維新の会と都民ファーストの指示を受ける小池都知事の来援を要請し実現させた。
勝利はしたものの、とりわけ小池都知事に大きく恩を売られることに。自民党は精力的に動く公明にも小池都知事にも、返しきれないような貸しを作る事ともなった。
小池都知事の来援 元部下の滝田、両角両氏に一顧せず
選挙期間中の後半に、小池都知事は急転直下、初宿氏の応援に入る。 両角も滝田の両氏はいずれも都民ファースト所属の市議だっただけに、かつての部下を一蹴した形となった。
都民ファースト自体は分裂選挙の様子を呈していたが、小池都知事の根強い個人票が初宿氏を後押ししたのは疑いない。
2024年に東京都知事選挙を控える中、小池都知事は一層再選に向けて自公を固める貸しを作れた。
広がる両角支持 既存の枠組みに満足せず
両角候補は二大候補の中、東京維新の一部の有志の支援を受けた。その結果、自民票の2割、無党派層の3割で全体の3割と決して無視できない選挙結果を出した。
政治資金問題に対して考慮した有権者からも25%の支持を受けたことも無視できない。今回は滝田氏と批判票を分け合った形だ。
しかし、候補の一本化が成功すれば滝田氏が当選したかと言えばそうでもない。両角候補は保守地盤で二割もの自民票を取り込んでいる中、無党派層3割を得ているとはいえ一本化されれば流出する自公票が減り、初宿氏がさらにリードを広げるとも考えられる。
勝馬に乗れたも存在感がない東京維新 支持者の意向無視した相乗り
東京維新の会は支持者や議員が両角氏を支援していた。しかし、党としては最初から初宿氏への乗り換えありきであり、結果選挙期間中の急遽の初宿氏支持表明となった。 両角氏はこの度無視できない投票を得ることとなったが、東京維新の会は本来支援し、票数で存在感を示せた形である。
東京維新の会は相乗りを重ねているが、載らなかった「維新っぽい」候補は結果として支持を集めることが続いている。支持者の意向を無視した党の決定により、存在感が広がらない。
「広義の野党共闘」の歴史的健闘 排除せずに態勢作れるか
このたびの滝田氏の支援体制は左派にとどまらず、広い支援を受ける「野党共闘」であったと言える。保守がつよい八王子でさえ惜敗となった以上、他の東京都の地域では結果につながる可能性が極めて高い。
かつての「オール沖縄」を主導した翁長雄志沖縄県知事は保守と革新を連合し、お互い「腹六分目」で妥協して一緒に勝つ選挙を目指していた。
新時代の勝利をつかむには、共産党も立憲民主党も国民民主党も都民ファーストも排除せず、お互い納得する「腹六分目」を見つけて戦うことが一つのモデルである。
立憲民主党代表の泉健太氏は「政治資金改革」と「教育無償化」のみを行う、各党の最低限共通する政策で「ミッション型内閣」を作る構想を出している。これを実現するための一つの構図が東京の滝田氏の支援体制であったと確信する。