2023年に再提出された入管法改正案が、収容者のウィシュマさんが虐待で亡くなったことを受けても、修正の手を加えられなかったものだ。人権侵害との非難の嵐に見舞われている中、立憲民主党をはじめとした野党各党が反対の立場を鮮明にしている。
改正案は、本国に送還すれば迫害の恐れがあるといった難民であっても、送還を執行する内容を盛り込んでいる。2021年に初めて提出された時も、収容者のウィシュマさんへの虐待事件が発覚したことで公の非難を浴び、衆議院議員選挙も考慮して成立を断念せざるを得なかった経緯がある。
その中、再度提出された2023年の改正案は、前回と全く同じ内容であり、多くの批判が再燃している。
さらに問題となっているのは、入管の虚偽答弁の疑いだ。入管の西山次長は、大阪の入管医師が飲酒のまま診療を行っていたことを隠ぺいしていた疑いが持たれている。また、入管の難民審査における虚偽の可能性も指摘されている。具体的には、柳瀬房子参与員が他の参与員の50倍近くの案件を審査したとの記録があるが、その実態が疑われている。これらの虚偽報告によって審議が行われた以上、法改正に必要な正しい情報での審議がないまま、9日に採決を迎える。
立憲民主党、日本共産党、社民党などはこれら一連の問題を重く見ており、法案の通過を阻止しようと活動を続けている。
死刑のボタンを押す稀代の悪法が委員長職権により強行採決可決された。法務委メンバーでもない自民党議員がスクラムを組み、委員長を取り囲む。驚くべきはその議員が採決の際に『賛成!』を賛否を表明したこと。 (写真4枚目)。委員長も大臣も与党議員も死刑のボタンを押してしまった。極めて無念。 pic.twitter.com/RV7rgDhNsb
— 石川大我 Taiga Ishikawa🌈全国比例 (@ishikawataiga) 2023年6月8日
6/8(木)参議院法務委員会(出入国管理法 反対討論)
— 立憲民主党 国会情報+災害対策 (@cdp_kokkai) 2023年6月8日
1⃣
石川大我議員
立憲民主・社民会派全員の思いを一つにして、この法案は断固反対を表明したいと思います。審議が尽くされた、そんな訳がありません。審議を続行すべきです。
この法案は一般的な法案とは違います。人の命がかかってるんです。 https://t.co/gTjudM7Jzs pic.twitter.com/80snjsMtkl
入管難民法改正案の根拠となる参与員発言の疑わしさ 「虚偽としか言いようがない」(週刊金曜日) - Yahoo!ニュース
難民審査に携わる「参与員」たちが怒った 「難民見つからない」発言利用する政府に 不可解な実態も暴露:東京新聞 TOKYO Web